「こうしたらいいんじゃない?」
「それなら、○○した方がいいよ」
「私の時はね……」
家族や友人、仕事仲間など、
大切な人が悩んでいる時、
私たちはつい、こんな言葉を
かけたくなることがあります。
もちろん、それは
相手を困らせたいからではありません。
むしろ反対です。
「少しでも力になりたい」
「早く悩みを解決してあげたい」
「自分の経験が役に立つかもしれない」
そんなふうに、
相手を大切に思っているからこそ、
私たちは「答え」を
渡したくなります。
けれど、
その良かれと思って
伝えたアドバイスが、
もしかすると相手の
「もっと話したい」という気持ちを
止めてしまっているかもしれません。
第4期「傾聴と共感」初級編を開催しました
先日、相互尊重コミュニケーション®︎協会
理事・えんどう有里認定講師による、
第4期「傾聴と共感」初級編が開催されました。
今回の講座では、
実際に参加者同士で
「聴く」ことを体験する
ワークも行いました。
「聴く」と聞くと、
一見とても
シンプルなことのように思えます。
でも、普段の会話を
振り返ってみると、
私たちは相手の話を
「聴く」より先に、
つい何かを返そうと
してしまうことがあります。
たとえば、
相手が悩みを話している時に、
「それ、わかる!私もね……」
と、自分の経験を話し始めたり、
「こうしてみたら?」
と、解決策を提案したり、
「そんなに気にしなくても大丈夫だよ」
と、励ましたり。
きっと、こんな会話に
心当たりがある方も
多いのではないでしょうか。
どれも悪気があって
していることではありません。
むしろ、
「少しでも力になりたい」
「元気になってほしい」
「何か役に立つことを伝えたい」
そんなふうに、
相手を大切に思っているからこそ
出てくる言葉でもあります。
でも、相手がその時に
求めているのは、
すぐに「答え」をもらうことでは
ないのかもしれません。
「何を感じているんだろう?」
「本当は何を伝えたいんだろう?」
答えを急がず、
まずは相手の言葉に耳を傾けてみる。
そこから見えてくるものがあります。
アドバイスより先に、相手の中にあるものを「聴く」
相手が話している時、
私たちはつい「何か言わなきゃ」
「役に立つことを伝えなきゃ」と
考えてしまいます。
けれど、その前に大切なのは、
相手の中にある言葉や感情を、
まず聴くこと。
「そうだったんだね」
「それはつらかったね」
「もう少し聞かせて」
そんなふうに、
答えを急がず、
相手の中にある言葉や感情を
丁寧に聴いていく。
相互尊重コミュニケーション®︎で
大切にしている「傾聴と共感」は、
ただ黙って話を聞くことでも、
相手の言うことに
すべて同意することでもありません。
相手が何を感じ、
何を伝えようとしているのか。
自分の考えや答えを
いったん横に置いて、
相手の言葉に耳を傾けていきます。
「聴いている自分」の現在地にも目を向ける
そして、
今回の講座で
もうひとつ大切にしたのが、
「聴いている自分の現在地を知ること」
です。
今、自分には
相手の話を聴く
余裕があるだろうか。
少し疲れていないだろうか。
イライラしていないだろうか。
何かモヤモヤを抱えていないだろうか。
私たちは、
いつでも同じ心の状態で
人と向き合えるわけではありません。
余裕がある時には受け止められる一言も、
疲れている時にはなぜか引っかかってしまう。
相手の言葉を聞いているつもりなのに、
自分の中にある
焦りや不安が先に反応してしまう。
そんなこともあります。
だからこそ、
相手を理解しようとする前に、
「私は今、どんな気持ちなんだろう?」
と、自分自身の感情にも
目を向けてみる。
自分のモヤモヤの
正体に気づき、
自分の感情の現在地を
知ることができると、
相手の感情にも、
より丁寧に向き合えるようになります。
「聴く」ことは、相手のためだけじゃない
アドバイスより、まず傾聴。
相手の気持ちだけでなく、
自分の気持ちにも気づく。
「聴く」という行為は、
相手のためだけにするものではありません。
自分自身を知り、
お互いを大切にしながら
関係を築いていくための
コミュニケーションでもあるのです。
家族との会話。
子どもとの会話。
パートナーとの会話。
職場でのコミュニケーション。
日常の中で、「聴く」場面は
たくさんあります。
特別な言葉を使わなくても、
相手との向き合い方や聴き方が
少し変わるだけで、
いつもの会話が変わり、
少しずつ関係にも
変化が生まれていきます。
学んで終わりではなく、ここから日常へ
今回学んだ「傾聴と共感」が、
ご家族や職場、大切な方との
日々のコミュニケーションの中で
少しずつ活かされていくことと思います。
相互尊重コミュニケーション®︎協会では、
自分も相手も大切にするコミュニケーションを、
知識として学ぶだけではなく、
日常の中で実践できる形でお伝えしています。

