「ちゃんと話を聴きたい」と思っているのに、
なぜか最後まで聴けない日があります。
相手が話し終える前に、
答えを出したくなる。
「それはこうしたらいいんじゃない?」と、
つい解決策を伝えたくなる。
あるいは、
相手の気持ちを受け止める余裕がなくて、
言葉を急かしてしまう。
そんな自分に気づいたとき、
「もっと優しく聴かなければ」と
責めてしまう人もいるかもしれません。
でも、私は思うのです。
聴けない日があるのは、
あなたに思いやりがないからではない。
もしかしたら、
自分自身の心が少し疲れていて、
余白を必要としているだけかもしれません。
このたび、
相互尊重コミュニケーション®︎
認定講師養成講座・第4期が、
34名の皆さんとともにスタートしました。
第1講義のテーマは、
「傾聴と共感」です。
相手を聴く前に、自分の状態に気づく
相互尊重コミュニケーション®︎の
すべての土台にあるもの。
それは、
実は心の余裕です。
心に余裕がなければ、
相手の言葉を
最後まで受け取ることは
簡単ではありません。
忙しさ。焦り。疲れ。
「やらなければ」が積み重なった
毎日のなかでは、
自分の気持ちにさえ気づかないまま、
誰かと向き合おうと
してしまうことがあります。
だからこそ、最初に必要なのは、
相手のために何かをすることではありません。
まずは、自分に問いかけることです。
今の私は、どんな状態だろう?
心に、少しでも余白はあるだろうか?
自分を置き去りにしたまま
相手を大切にしようとすると、
いつか無理が生まれます。
自分を大切にすることと、
相手を大切にすること。
この二つは、
どちらかを選ぶものではありません。
両方を大切にするからこそ、
人との関係はもっと穏やかに、
あたたかく育っていくのだと思います。
「聞く」と「聴く」は、似ているようで違う
第4期の第1講義では、
知識を学ぶだけではなく、
実際に体験しながら
学びを深めていきました。
扱ったのは、
たとえばこんなテーマです。
- 「聞く」と「聴く」の違い
- 傾聴の3つの条件
- 「共感」と「同感」は違うということ
- 傾聴力を高めるための「1分間ボディスキャン」
「聞く」は、
耳に入ってくる音や言葉を
受け取ること。
一方で「聴く」には、
相手がどんな思いで
その言葉を口にしているのかを、
心を向けて受け取ろうとする
姿勢があります。
そして共感とは、
相手とまったく同じ意見に
なることではありません。
「私はそうは思わない」と
感じることがあっても、
「あなたは、そう感じたんだね」と、
その人の感情や背景に
耳を傾けることはできます。
違いがあるからこそ、
対話が必要になる。
違いがあるからこそ、
相手を知ろうとする
姿勢が生まれる。
それが、
相互尊重の始まりです。
テクニックだけで終わらせない学び
当協会のテキストには、
少し自慢したい特徴があります。
それは、
「原則」と「理論」の二つを
大切にしていることです。
コミュニケーションには、
すぐに使える技術や言葉があります。
もちろん、それらも大切です。
けれど、テクニックだけを覚えても、
心が追いつかなければ続きません。
状況が変われば、
使えなくなってしまうこともあります。
だからこそ私たちは、
なぜ、それが大切なのか?
その背景には、どんな考え方があるのか?
日常のなかで、どう活かしていくのか?
を丁寧に扱います。
原則を土台にしながら、
「なぜ?」「なんで?」
「どうしたら?」を
理論で深める。
そして、
自分自身の暮らしや
人間関係のなかで
実践できるところまで
落とし込んでいく。
学びを、知識のままで終わらせない。
自分の人生で使える力にしていく。
それが、
相互尊重コミュニケーション®︎講座で
大切にしていることです。
34名の皆さんと、ここから
第4期には、
それぞれの人生、
それぞれの願いを持った
34名の皆さんが集まってくださいました。
家族との関係をよりよくしたい方。
仕事で人と関わる力を深めたい方。
誰かの支えになれる自分になりたい方。
そして、
自分らしく生きることを、
もう一度大切にしたい方。
学びの理由は
一人ひとり違います。
けれど、
「自分も相手も大切にしたい」という願いは、
きっと共通しているのではないでしょうか。
私自身も、
伝える立場でありながら、
いつも自分を振り返っています。
本当に聴けているだろうか。
自分の心を
後回しにしていないだろうか。
相手を尊重しながら、
自分の思いも
大切にできているだろうか。
完璧である必要はありません。
気づいたら、また自分に戻ればいい。
誰かの話を聴く前に、
まずは1分だけ。
呼吸や身体の感覚に意識を向けて、
自分の今に気づいてみる。
その小さな余白が、
相手の言葉を大切に
受け取る力になるはずです。
34名の皆さんとともに。
ここからじっくり、
自分も相手も尊重しながら、
自分らしく生きるための
コミュニケーションを深めていきます。
一般社団法人
相互尊重コミュニケーション®︎協会
代表理事 渡辺佳菜

